1 南宇和サッカー協会

AINAN SOCCER'S DAY

レポート

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2013年12月29日(日)
AINAN SOCCER’S DAY 2013
愛南町がサッカーに染まった日の記憶と記録。



am 4:30
あまりの興奮のため眠りが浅く、目が覚めてしまった。
天気予報は一週間前からくまなく確認していた。
12月29日の予報は「激しい寒さには見舞われるが雨や雪の心配はない」との見通しだった。
降水確率10%。
寝る前に夜空を見上げたら満天の星が一面に広がっていた。
それが…。

「ウソだろ……」

雨と雪。
雪と風。
風と憂鬱。
時間を追うごとに天候と憂鬱は激しさを増していった。
鳴り止まない携帯電話。

「今日どうなるの?」

「今日どうするの?」



am 7:00
実行委員が南レクに集まり緊急会議。
様々な意見が交わされた。
“決行!”か、それとも……。
緊迫した状況の中、空から微(かす)かだが青空と太陽が顔を出していた。
出した結論は「開始時間を2時間繰り下げての決行!」だった。
ここまであらゆる事態を想定し準備をしてきた。
悪天候は我々の想いをより一層ドラマティックに演出する要因の一つに過ぎなかった。



am 10:00
ぞろぞろと南宇和高校出身のプロサッカー選手たちが南レクに集まって来た。
夢にまで見た光景が目の前にあった。
南宇和を背負い、全国という舞台で戦い、プロという道を歩んだ彼らが再び南レクに戻ってきた。
多くの選手たちは、今回の「AINAN SOCCER’S DAY 2013」に参加するにあたり、口を揃えて次のようなことを言ってくれた。
彼らの熱き想い。
夢中になって朝から晩までボールを追いかけた、そんな青春時代を過ごした愛南町。
愛南町の南端にある小さな町のサッカー少年だった私たちが、プロのフィールドでプレーすることができた。その礎を築いてくれたのが青少年期の経験でした。
ここでは地域にサッカーが根付き、世代や性別を越え、人生の一部として多くの人に愛されています。
このような素晴らしい地域文化を発展させ、生涯を通じてバランスのとれた心身をつくり、そして「サッカーが好きだ」という子どもたちの成長の一助になりたいと心から願っています。

プロサッカー選手のみなさん全員笑っていた。
そしてその光景を見ていた私たちはもっと笑っていた。
受付会場は、今か今かと開門を待つ少年、少女たちでごった返していた。



am 11:00
受付開始。
受付を済ませた子どもたちが選手たちと握手をし、記念Tシャツを受けとる。
まさしく「地域にサッカーが根付き、世代や性別を越え、人生の一部として多くの人に愛されている光景」に1時間後にはじまるサッカー教室への期待値は高まるばかりであった。

「おっしゃー!握手してもらったーー!!」

子どもたちの無邪気な表情を見ていると、このイベントの目的をもう一度考えさせられた。
私たち実行委員会は、愛南町でサッカーをしている子どもたちがサッカーの楽しさを知り、もっとサッカーを好きになるように、そして様々なサッカー経験のある方々と交流を深めることによって、南宇和郡内のサッカー少年・少女の技術向上、健全な心身を育むことを目的として、「AINAN SOCCER’S DAY 2013」を開催しようと準備してきた。
過去の栄光にすがるのではなく、現実から目を背けるのでもない。
過去を整理し、現実と向き合うこと。
未来は変えていける。
過去、現在、未来。すべてはつながっている。
そして、続いていく。


「すべては子どもたちの未来のために」


これが、私たちの合言葉になっていた。
あまりの子どもたちの多さに受付係を急きょ増員しなければならないほどの盛況ぶりだった。




am 11:40
開会セレモニー。
選手代表の幸田将和さんの言葉が忘れられない。

「“強い南宇和”を取り戻す前に、“強い絆の南宇和”を構築しましょう」

南宇和の強さを紐解いて見る。
南宇和郡内の指導者同士の結束は固く、まさしく「同志」として、この町のサッカー文化発展に文字通り「すべて」を注いだ。
強い郷土愛を心に、優秀な指導者たちが互いに学校の垣根を越えて連携し、小学校の年代では育成をベースに徹底的に個人技術習得・向上をポイントにし、中学校の年代では身につけた個人技術をグループ戦術にまで発展させるなど一貫した指導を進め、そろって南宇和高校に送り込む。
小さな町、南宇和郡で小学校・中学校・高校がまるで一つのクラブチームとして成立し、南宇和高校を育成の頂点とするピラミッドを昭和50年代には完成させた。
南宇和の強さは、「絆」の強さだったんだ。


 

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